片頭痛

低気圧や雨の日に起こることもある片頭痛

低気圧や雨の日に起こることもある片頭痛片頭痛は一般に、疲労やホルモンバランスの乱れ、光・音などによる三叉神経への刺激によって起こる頭痛と言われています。
それ以外にも、低気圧が近づいている時、雨の日に起こることもあるようです。その因果関係について未だはっきりしたことは分かっていませんが、鼓膜、内耳が受けた何らかの影響、あるいは脳の過敏などが作用しているのではないか、と言われています。

片頭痛は男性よりも女性の方が起こりやすい?

片頭痛は男性よりも女性の方が起こりやすい?片頭痛患者の男女比はおおよそ1:4で、明らかに女性に多いということが分かります。
特に閉経以前の女性は、月経などによってホルモンバランスが変化する機会が多いことが影響し、片頭痛のリスクが高くなると言われています。また低気圧・雨の影響も、男性よりも女性の方が受けやすいとの指摘があります。

片頭痛の原因

片頭痛がなぜ起こるのかというメカニズムについては、未だはっきりしたことが分かっていません。ただ一般的には、疲労や睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、光・音などによる三叉神経への刺激によって痛みを引き起こす物質が分泌され、片頭痛を発症するものと考えられています。
また先述の通り、低気圧や雨も片頭痛の発症に関与することがあります。

視界のチカチカや吐き気まで…片頭痛の症状

ひどい場合は吐き気まで…片頭痛の症状片頭痛の症状には、以下のようなものがあります。頭痛は、頭の左右両側で起こることもあります。
また前兆として、視界にチラチラ・チカチカとしたものが映る閃輝暗点、手足の脱力・しびれなどの症状が見られることがあります。

  • 左右どちらか片側のズキンズキンとした頭痛
  • 脈打つような頭痛
  • 発作的な吐き気

悪化した場合には、発作的な吐き気が起こることもあります。仕事や家事に集中できない、寝込んでしまう、動きたくないといったことで、QOLを低下させる原因になります。

片頭痛の対処法・治し方

対処法

片頭痛が起きた時には、光・音の刺激を避け、暗い静かな部屋などで休むことで軽減・解消が期待できます。
痛むところを冷やしタオルなどで冷却する方法も有効です。

治し方

軽度の片頭痛であれば、通常の鎮痛剤での対処が可能です。
頭痛がひどい、頻度が多いという場合には、片頭痛治療薬を使用します。
当院で扱うCGRP抗体関連薬は、片頭痛の原因であるCGRPという神経伝達物質に作用し、無力化することで、片頭痛の改善が期待できます。
1~3ヶ月に1度の皮下注射で効果が持続するため、通院回数も減ります。

片頭痛予防薬

頭痛が頻繁に起こり、日常生活に支障をきたす場合は、保険適応で予防薬の処方が可能です。
予防薬は、即効性はありませんが、28~30日に1回行う皮下注射を1〜2ヶ月継続して使用することで高い片頭痛抑制効果が期待できます。

片頭痛予防薬の適応となる方

  • 片頭痛が月に複数回出現している方
  • 月に3回以上、3ヶ月以上にわたって片頭痛が起きている方
  • 現在処方されている片頭痛薬の効果がない
  • 当院でMRI・血液検査を行っていること

当院で取り扱うCGRP抗体関連薬

片頭痛とCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の関連は、近年の研究で注目されています。CGRPは、神経伝達物質として知られ、血管を拡張させる作用があります。片頭痛の発作時にCGRPのレベルが上昇することが分かっており、これが片頭痛の痛みや血管の拡張に関与していると言われています。この関連性から、CGRP受容体拮抗薬やCGRP抗体などの治療薬が開発され、片頭痛の予防や治療に利用されています。
当院では2種類のCGRP抗体関連薬を取り扱っています。
以下の薬剤は、放出されたCGRPに作用し無力化することで、片頭痛の原因となるCGRPどれだけ放出されても頭痛を予防することが可能です。注射後、1~3ヶ月の間、作用し続けます。

アジョビ

アジョビの働き

アジョビは片頭痛の原因といわれるCGRPと結合して働きを抑えることで、片頭痛発作をできるだけ起こさないようにすると考えられています。

片頭痛発作時

片頭痛発作時

アジョビ投与時

アジョビ投与時

投与方法

皮下に注射します。

腹部

へその周り5cmは避けてください。

大腿部

上腕部

投与間隔

4週間に1回、1本注射

通院で4週間に1回1本注射、もしくはオートインジェクターを使用して在宅で自己注射が可能です。

12週間に1回、3本注射

通院で12週に1回3本注射を行います。
在宅での自己注射は選択できません。

アジョビ治療のポイント

治療の継続

片頭痛の予防療法は、効果がすぐに現れないことがあります。
自己判断で治療を中断すると、効果が得られない可能性があります。症状の改善が見られなくても、医師と相談しながら治療を続けることが重要です。

頭痛ダイアリー

片頭痛を管理する際には、発作が起こりやすいタイミングや要因など、自身の頭痛の特徴を把握することが肝要です。頭痛の記録を取ることは、頭痛の特徴を理解するだけでなく、医師が治療計画を立てる上での貴重な情報源となります。

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治療費(保険適応)

保険適応3割負担の場合 ●●円

※当薬剤は自己での注射となるため、別途自己注射指導料がかかります。

副作用

  • 注射部位が硬くなる
  • 注射部位の発赤
  • 注射部位の痛み

重篤な過敏症反応

アレルギー反応は注射後1か月以内に起こる可能性があります。
次のような症状があらわれた場合はすぐに受診してください。

  • 皮膚症状:全身の痒み、蕁麻疹、発赤など
  • 粘膜症状:喉の痒みなど
  • 呼吸器症状:くしゃみ、咳、ゼーゼー、声のかすれ、息苦しさなど
  • 消化器症状:腹痛、吐き気など
  • ショック症状:顔面蒼白、意識混濁、動機、ふらつきなど

使えない方

  • 18歳未満
  • 妊娠中の方はご相談下さい。

エムガルディ

エムガルディの働き

エムガルディは片頭痛の原因といわれるCGRPと結合して働きを抑えることで、片頭痛発作をできるだけ起こさないようにすると考えられています。
これまでの片頭痛予防薬は、もともと心疾患、てんかん、うつの治療薬が片頭痛の予防に効果がある事が分かり、流用されていました。
エムガルディは、片頭痛に特化して開発された薬剤になります。

投与方法

エムガルディは医療機関で注射する方法と、自己注射の2通りがあります。
自己注射の場合は注射方法や注意点などを主治医から指導を受ける必要があります。

投与間隔

1.初回に2本のエムガルディを皮下注射することで、速やかに効果を実感しやすくなります。
2.2か月目からは毎月1本を注射します。

治療費(保険適応)

初回保険適応3割負担の場合 ●●円
2回目以降保険適応3割負担の場合 ●●円

※当薬剤は自己での注射となるため、別途自己注射指導料がかかります。

副作用

  • 注射部位の痒み
  • 注射部位の発赤
  • 注射部位の痛み

使えない方

  • 18歳未満
  • 妊娠中の方はご相談下さい。