体や指が勝手に動く・無意識に動く
以下のような症状が続く場合には、一度当院にご相談ください。
- 自分の意に反して体が動く
- 指や手が勝手に動く、ピクピクする
- 足が勝手に動く、ピクピクする
- 手足の小刻みなふるえ
- 物をうまく持てない・掴めない
- 手足に力が入りにくい
- 歩行に不安がある
体や指が勝手に動くことで、まわりからの視線が気になる、ペン・箸をうまく使えないといった問題も発生します。何らかの病気が原因になっていることもあるため、医療機関を受診するようにしてください。
体や指が勝手に動く原因・考えられる病気
自分の意に反して体の一部が動くことを「不随意運動」と言います。
この不随意運動を引き起こす病気として、以下のようなものが挙げられます。
本態性振戦
ふるえを単独の症状とする病気です。ふるえは、手や腕、頭部に左右対称に現れます。両手をのばしたときにその手がふるえる、喋る時に声がふるえるといったようなケースが見られます。
大半は軽度ですが、一部は日常生活に支障をきたすほど重度となり、その場合には治療が必要です。
パーキンソン病
脳からの命令を筋肉へと伝えるドーパミン神経細胞が減少することで発症する病気です。
典型的な症状として、安静時の手足のふるえが挙げられます。その他、筋肉のこわばり、歩行障害なども見られます。通常、ふるえは左右どちらかの手足で見られますが、進行に従って両側へと広がります。
脳卒中(脳梗塞、脳出血)
片側の手足の麻痺、力が入りにくい、手足のふるえ、呂律が回らないといった場合には、脳梗塞や脳出血などの脳卒中を疑う必要があります。脳出血の場合、多く頭痛も伴います。
いずれの場合も、すぐに医療機関を受診する必要があります。
脳腫瘍
腫瘍によって圧迫された脳の部位によっては、ふるえや痙攣などの症状が見られることがあります。
脳腫瘍のその他の症状としては、頭痛、手足の麻痺、視力障害、言葉が出づらいといったものが挙げられます。通常、脳腫瘍の増大にあわせて、ゆっくりと進行します。
てんかん
何らかの原因によって脳の神経細胞に異常に興奮し、てんかん発作を繰り返す病気です。
顔や体の一部をピクピクさせたり、肩を揺らしたりといった様子が認められます。その他、痙攣、ぼうっとしているように見える、頷く動作の繰り返し、突然の嘔吐など多様な症状があります。通常、患者さんは同じ症状を繰り返しますが、1日に2回以上発作を起こすことはまずありません。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺ホルモンの量が多くなり、体のさまざまな機能が亢進する病気です。
同じ姿勢を続けている時、ふるえが生じるケースがよく見られます。その他の症状としては、動悸、息切れ、食欲亢進、体重減少、微熱、多汗などが挙げられます。
薬剤性振戦
薬剤を原因として起こる手足のふるえです。使用開始直後ではなく、数カ月後に症状が出ることが多くなります。すぐに薬の使用を中止しなければなりません。
原因となりやすい薬剤には、気管支拡張剤、抗精神病薬、抗うつ薬、めまい止め、吐き気止めなどがあります。
眼瞼痙攣
自分の意に反して瞼がピクピクと動く病気です。40歳以上の特に女性に多く見られます。
痙攣は通常、左右両側の瞼で認められます。その他の症状としては、瞬きの回数増加、眩しく感じるといったものがあります。目が開けていられないほど重症化するケースもあります。
片側顔面痙攣
自分の意に反して顔面の筋肉がピクピクと動く病気です。
痙攣は通常、左右どちらかの片側に現れます。目のまわり、頬、口元などで好発します。
体や指が勝手に動くのはストレスの場合も
ストレスや過労、不規則な生活リズム、睡眠不足などを原因として自律神経失調症を発症し、その症状の1つとして手・足・顔面にけいれんが現れることがあります。
それ以外にも、めまい、動悸、倦怠感、イライラ、集中力低下、肩こり、頻尿、生理不順、便秘・下痢など、自律神経にかかわる多様な症状が見られます。
体や指が勝手に動く場合の検査
問診では、動き方やふるえ、他の症状について詳しくお伺いします。症状が起こりやすい時間帯・状況・心理状態なども、分かる範囲で教えてください(メモをしてお持ちいただければ大変助かります)。
その上で、手足の視診や触診、必要に応じてMRI検査を行います。
MRI検査
勝手に動く・ふるえの原因が脳にあるのかどうかを調べます。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの疾患を早期に発見することが可能です。
パーキンソン病が疑われる場合には、CT検査も行い、脳の他の病気を除外します。
脳波検査
動き方・ふるえのタイプによっては、脳波検査を行います。
脳波検査が必要になった場合には、提携する病院をご紹介します。
体や指が勝手に動く場合は当院までご相談ください
体や指が勝手に動く、ふるえるといった場合に、多くの患者さんは「何か大きな病気だったらどうしよう」と不安になります。ただ、必ずしも大きな病気が原因になっているとは限りませんし、検査・診断を受けて治療を開始できれば、気持ちも楽になります。
大切なのは、放置せずに早めに受診をすることです。当院では、最新鋭のMRI・CTを用いた精密な検査・即時診断を行い、適切な治療の提供に努めています。
病院、各専門の医療機関とも速やかに連携することができますので、安心してご相談ください。